工場勤務の技術職

工場勤務の技術職

技術職と技能職の違いは?

工場で製造作業を担当するためには、それなりの技術や経験が求められるものです。
そのため、工場勤務において技術職と技能職の2種類の分類が存在すると聞くと、「何が違うの?」と疑問に感じる方もいらっしゃるようです。

製造業では、この2つはかなり厳密に分けられています。
簡単に言えば、とくに専門知識やスキルが必要ない作業に従事するスタッフのことを「技能職」と呼んでおり、専門的なスキルがないと担当できない作業に従事するスタッフを「技術職」と呼んでいるのです。

製造業では高度な技術や精密な作業が求められるわけですが、一方でその作業の多くを機械が担っている面もあります。
機械が行っている精密な作業を人間がサポートして業務をこなしていく、いわゆる「流れ作業」のような工程もあります。
こうした専門知識を必要としない、比較的「簡単な」作業を担当するスタッフのことを技能職と呼んでいるわけです。

よくアルバイト情報誌に「工場での軽作業」と書かれた求人を見つけると思います。
こうした仕事のほとんどは未経験歓迎、給料は即日払、といった条件が提示されています。
このケースからも、工場では比較的簡単にできる仕事も多いのです。
言い方はよくないですが、「すぐに取り替えが効く仕事」と表現できるかも知れません。

それに対して技術職は専門的な知識・スキルが必要な精密な作業や、機械ではなく人間の手でなくてはうまくできない作業を担当することが増えます。
それ以外にも、生産体制・計画の設計や管理、さらに作業が滞りなく進んでいるかどうかを確認する調査なども担当します。
もし現場の環境や生産体制に改善の余地があるなら、計画や設計の変更なども担います。

技術職の種類

もちろんこうした仕事をひとりの技術職が担当するわけではなく、それぞれの役割を担った技術職が存在します。
工場ではこうした複数の技術職がそれぞれの役割を担い、あるいは連携しながら生産体制が構築・維持・管理されているのです。

まず、ものづくりの現場における基本中の基本といえる研究職、それから研究をもとにして具体的に製品の計画・設計を行う開発設計職などに分かれます。
そして現場における生産計画や管理、さらには物流計画やコスト管理までも担っているのが生産技術職です。

やりがいのある仕事

工場勤務というと技術が求められるイメージがある一方で、いつも同じ作業の繰り返しで退屈そうといったイメージももたれているようです。
しかし技術職ともなると、どんな製品を作るのか、どうやって作っていくのか、それをどう市場に届けるのかといった役割の中で好奇心や探究心、研究心などが求められます。
責任が重く大変な面もありますが、一方でやりがいを感じられる仕事にもなっています。

工場勤務でキャリアを重ねていくうえでは、まず技能職から技術職への転身がひとつの目標、ターニングポイントとなるでしょう。
そのための資格取得や勉強なども意識したいところです。