製造業では女性が活躍している?
女性の社会進出が進んでいる、といった話題を目にする機会が増えています。
一方で、もっと社会全体が女性が活躍しやすい環境になるべきだといった話題も見かけます。
じつは製造業だと、女性がかなり雇用されていることをご存知でしょうか?
製造業というと、男性が工場で黙々と作業しているイメージを持たれる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実は、現場では多くの女性が雇用されているのです。
それを裏付ける経済産業省のデータもあります。
それによると、製造業における女性従業員の比率は大企業で22.9パーセント、中小企業では42.5パーセントとなっています。
大企業ではまだまだ少ないといった印象ですが、中小企業ではすでに半数を占める割合にまで達しています。
工場で働くスタッフの半分近くは女性、というわけです。
なお、この女性の比率に関しては業種による偏りが見られており、すべての業種で女性が多いというわけではないことも押さえておきたい点です。
衣服・繊維製品の分野では女性の比率はじつに70パーセントを超えており、まさに「女性の職場」となりつつあるのに対して、鉄鋼業や石油製品製造などでは20パーセント程度と低い水準となっています。
女性はどんな仕事で活躍しているのか
製造業、とりわけ工場勤務と女性があまり結びつかない理由の一つは、「力仕事は向いていないんじゃないか」というイメージです。
ただ、製造業の仕事のすべてが力仕事というわけではありませんし、むしろ女性の方が向いているのではないかと思えるような仕事もあります。
例えば食品加工だと、衛生状態が非常に重視される仕事になりますから、一般的に男性よりも衛生意識が高い女性のほうが向いている面もあるのです。
お弁当や惣菜の製造現場では食品のトッピングを担当する仕事もあり、こちらも女性スタッフが多くなっています。
そのほか女性のスタッフが多い仕事では、商品の仕分け・梱包、あるいは検査などが挙げられます。
製品の生産は機械化されても、最終的なチェック、検品は人間が行うことが多いため、その作業を女性が担当することが多いのです。
このように、一般的に女性に向いていると考えられている仕事が製造業には意外と多く、実際に多くの女性が従事しています。
気になるのは職場での人間関係ですが、実際に現場で働いている経験からすると、それほど大きな問題は起こらないものです。
セクハラやパワハラなどもそう頻繁に見られるわけではありませんし、そもそも全体の4割以上を女性が占めている職場で男性のセクハラが横行していれば現場が機能しなくなりますから、そうした行為を戒めるような気風が自然と生まれるものです。
もちろん現場ごとに事情は異なるのかも知れませんが、女性にとって製造業はなかなか魅力的な雇用現場となっているのかもしれません。