安全管理者

安全管理者

安全管理者とは?

製造業をはじめとした工場において、安全性の確認は必須となっています。
そんな職場の安全性を保証し、責任を持つ存在として選任されるのが安全管理者です。

一定以上の労働者が作業している工場・事業場では、必ずこの安全管理者を選任することが求められています。
つまり、この安全管理者はつねに需要があるだけでなく、キャリアアップの足がかりとしても非常によいポストといえるわけです。

安全管理者の選任・設置が求められる工場・事業場の規模は業種によって異なっており、例えばとくに安全性が求められる建設業、石油製品製造業などでは「常時使用する」労働者数が300人以上の場合に必須となります。
ほかには、港湾運送業や道路貨物運送業では500人以上、鉄鋼業や造船業では1000人以上と、かなり規模の大きな工場・事業場で求められるポストと言えるでしょう。

どうすればなれる?

安全管理者は特定の資格の名称ではなく、ポストの名称です。
ですから、「この資格試験を受験して合格すればなれる」「この講座を受講すれば修了とともに認定証が与えられる」というわけではありません。

一方、安全管理者に選任されるためには一定の条件をクリアしている必要があります。
資格試験はありませんが、この条件を満たすことが安全管理者になる資格となるわけです。
ではどんなものがあるのか、資格を得るためのルートは大きく分けて以下の7通りあります。

1つ目は、大学・高等専門学校で理系の正規の過程を収めて修了したうえで、2年以上の実務経験があることです。
理系の課程以外の正規の課程を修了している場合、4年以上の実務経験が求められます。
2つ目に、高等学校・中等学校において理系の正規の学科を修了し、4年以上の産業安全における実務経験があることが挙げられます。
こちらも、課程以外の正規の課程を修了している場合は6年以上の実務経験が必要となります。

それ以外ですと、7年以上の実務経験があること、職業訓練課程を修了しているなどその他のケース、労働安全コンサルタントであることなどが、このポストにつくためのルートです。
なお7以外の選択肢では、この条件を満たした上で厚生労働省が定めた「安全管理者選任時研修」を修了することが求められます。

労働安全コンサルタントとは?

資格試験はないと書きましたが、唯一の例外となるのが「労働安全コンサルタント」です。
この資格を取得するのが安全管理者になる近道といえば近道なのですが、この資格を受験する上でも一定の産業安全に関連した実務経験が求められます。

なお2020年における当資格の受験者数は1166人、合格者が330人で合格率は28.3パーセントとなっています。
毎年合格率は30パーセント前後で推移していますから、なかなかに難易度の高い資格と言えるでしょう。
いずれにしろ、早くても安全管理者になるため2年以上の実務経験が求められることになります。
まず自分がどの条件に該当し、満たしているかどうかを確認してみるとよいでしょう。