工場勤務者は喫煙者がマジョリティ
世界的な嫌煙運動によって、喫煙者は年々肩身の狭い思いをするようになっています。
また、相次ぐ値上げに、これまでタバコを吸っていた人も禁煙を始める人が少なくありません。
そもそも飲食店や公共の施設では基本的に全面禁煙ですし、多くの企業もそれにならって禁煙運動を推し進めています。
このような状況ですから、タバコを吸いたくても吸えないのが、喫煙者の偽らざる心境でしょう。
そんな悲しき愛煙家にとって、工場は安息の地かもしれません。
なぜなら工場勤務者の多くは男性であり、かつ年配の男性が比較的多いため、外の世界と比べて喫煙者の割合が非常に高いからです。
工場側も従業員のことを考えて、喫煙スペースや喫煙室を設けるなどしています。
敷地内全面禁煙というところはまだ少ないでしょう。
盛んなタバコミュニケーション
工場勤務の休憩中にタバコを吸う場合、基本的に一人きりで吸うことはないのではないでしょうか。
休憩時間になると、一斉に人が休憩します。
そのうちの多くが喫煙者なので、休憩時間になると喫煙エリアはタバコを吸う人で賑わうのがふつうです。
となると、自然に喫煙者同士で会話に花が咲きます。
「タバコミュニケーション」と呼ばれるタバコを軸にしたコミュニケーションです。
喫煙中の会話から、本来勤務中なら知ることのなかった情報を耳にすることもあります。
喫煙エリア内では、年齢、先輩や後輩、正社員や派遣社員、部署の違いなどは関係なく、みんなで一緒にタバコを吸うことになります。
ふだんは他部署の人と話す機会もないのに、タバコを吸う時だけは一体感のようなものを感じて、話しやすい雰囲気になるものです。
禁煙運動が盛んになって以降、タバコを吸っているというだけで非難されるような風潮になっています。
タバコを吸える場所はどんどん減っていき、しかもタバコ代はどんどん値上げされるとなっては、喫煙者の多くが抑圧されていると感じるのも仕方がないでしょう。
ところが、外ではマイノリティ中のマイノリティの喫煙者が、工場ではマジョリティになります。
心置きなくタバコを吸えるのですから、その開放感からお互い話が弾むのも当然ではないでしょうか。
とはいえ工場でも禁煙運動は進んでいる
とはいえ、以前と比べると工場勤務者の喫煙率も低下しているようです。
数年前と比べて半分ぐらいとの実感を抱く人もいます。
また、男性ばかりの職場ならともかく、女性の割合が比較的高い職場では喫煙率はさらに下がるようです。
それに応じて、工場のなかにも全面禁煙を導入するところが増えています。
今のところは工場では喫煙者がマジョリティという状況ですが、それがこの先いつまでも続くかわかりません。
いずれは工場内も禁煙になるかもしれないという覚悟は必要でしょう。